とわは、静かな住宅街よりも、人や車や自転車の多い道を選ぶ。
ぐいぐいあっちゃこっちゃ行ってそんなに歩き方うまくないくせに(言い方)、神経過敏でいろんなことが気になって怖いのに、なぜわざわざ細くて賑やかな道を選ぶのか、最初はわけがわからなかった。
静かで歩きやすい住宅街や緑道へ行こうとしてもがんとして譲らず「こっち!」と強い意思でもってごちゃごちゃした方へ引っ張っていく。
それはなぜなのか。
人間が考える“歩きづらい”道の方が、散歩している犬に会う確率が俄然低いからだ。
犬嫌いのとわ、賢い! でもヒト、歩きにくい!
とわにとっての歩きづらさの基準は、道の広さや人の多さではなく、犬、特に発するエネルギーが強い犬がやたらいるかどうか、なのだ。
犬にとっての散歩は、「楽しむ」ことだと思うのだけれど、
「楽しむ」ためにはとわなりの「安全」が前提なのだ。
それは、「他の犬がいない」こと。
なんだか、私にも当てはまるなぁ、と思った。
私もいろいろとやりたいことがあったり手に入れたいものがあって時に大胆な行動に出ることがないこともないのかも知れないけれど、いつも絶対に安全な方法とペースでやりたい方だ。ひらめきや直感でパッと思いついても、それで本当にいいのかすごーく調べて慎重~に考えて何度も確認して、納得できたらやっと決定して動く、という感じ。
自分のペースで、ゆっくり時間をかけられると安心する。
ささっとぱぱっとスピーディに、とりあえず飛び込んでみよう!買ってみよう!とか不安でできない。
しかし、考えるのに疲れて「ええい、いいや、いったれ」と最後に雑になるところも私だ。
まぁ、そんな話は置いといて、
とわ自身が身の安全を確保しつつ楽しみたいもの楽しむためにはどうしたらいいか、一生懸命考えたんだかひらめいたんだか経験から学んで決めたんだが、いずれにしても選択に脱帽だし、愛おしい。
あと、ある不動産屋さんのガラス張りの一階に柴犬がいるのだが、ガラス越しなら安全に戦える、ととわは心得て、毎度そこへ向かってガラス越しに一戦を交えようとする。
目的(=安全に楽しみたいものをとことん楽しむ)を達成するために今日も人と自転車をかわしながら歩道をすたすたと歩き進めるとわの姿に、
自分の目的を達成するために、私はどの道を選ぶのか?
朝っぱらから問われた気分だった。
ひとけのない(いぬけか?)公園さがしもウマイです |