この話はひと月半くらい前、今年の6月の初めくらいのことであり、今のとわちゃんはだいぶガウガウ度が下がってきているし、私も落ち込まずに散歩できている。
自分の髪にヘナをして、二匹をシャンプーしてから夕方の散歩に二匹を連れて出た。
そらは他の犬にも人にもフレンドリーで交流したがり、とわは他の犬に会うと猛烈に吠えてしまうので、本当は一匹ずつがいいことはわかってはいるし、朝はそうしている。
だが、つい、夕食作りまでの時間があまり無い時とか、一度で散歩を済ませてしまいたい想いに駆られて二匹で出てしまう時もある。
そして、案の定、やっぱり二匹での散歩は大変なことになり、後悔する。
その日は何度もお散歩中の犬とすれ違い、そのたびにとわがけたたましく吠えるのでいい加減嫌になって、次の犬とすれ違う前に片手で抱っこをした。
本来こういう時に抱っこするのはその時のネガティブな感情や状態を増長させるというし、4本の足が地面から離れると動物的には思うように逃げられないということだから余計に不安になるのでよくないのはわかっているのだが。
抱っこすると静かな時と暴れる時があり、静かな方に賭けた。
静かであれば、その間そらは出会った犬とごあいさつできるし。
しかし、その日は暴れるデーであった…
とわは私の腕の中で猛烈に吠えながらもがいで、たまたま私の頬と首を引っ掻いた。
わざとではないのはわかっているが、とても痛くて、なんだか怒りより、情けなくなって、悲しくなって、涙が出てきてしまった。
日々とわのことで頑張っていることが虚しくなって、いろいろと過去を後悔して、どうしたらいいのかわからなくなって、ずーん、となってしまった。
ドッグトレーナーのカウンセリングは受けたけどトレーニングをしたわけではないので、一時期よくなった風が、ガウガウ度が今また戻ってしまっている…
一匹ずつ行けばマシなのはわかっているけど、毎回そうできないよ。
この子は何しにうちに来たんだろう。
どうせ私のやり方や気の持ちようがマズイんだ。
どんなに一生懸命でもね。
だったら私にはもうできない。私はできない人なんだよ。
もう、苦しい。しんどい。あー憎たらしくなってきた。
ネガティブの沼へずるずるずる~ 笑
いろいろ情けないことを考えてしまう。
そういう自分はほんとうにおそろしく、身勝手な人間だと思う。
でも本当でなくても想像であってもそうやって考えないと気持ちの持って行きようがなかった。
帰宅した夫は気遣ってくれたが、私は自分の気持ちを話す気力もなく、ただただ沈んでしまった。
夫は肩を揉んでくれた。お皿も洗ってくれようとした。(働いてきた上に申し訳ないので断ったが)
そして「翌朝のとわの散歩は俺が行くよ」と言った。
いつもは朝の散歩のそらの担当は夫、とわは私。なぜならとわの散歩は教育も兼ねているからだ。
「朝交代しても、夕方は二匹とも私な訳だから大差ないよ」と思ったが、
「少しとわと離れたら気分変わるんじゃない?」と言われ、それもそうかな、と思った。
そして、「夕方は行きたくなかったら行かなくていいよ。帰ってから俺が行くし」と言ってくれた。
こういう時夫は絶対に私にダメ出ししないし、そっとしておいてくれるし、必要ならどうにか助けようとしてくれる。生真面目に「やらなきゃいけない、逃げてはいけない」と思いつめる私に軽やかに逃げ道を作ってくれる。
私は疲れ過ぎて顔には出せないが、救われるし感謝している。
そして、「ハイヤーセルフでも天使でも動物関係のマスターでも、どなたでもいいのでとにかく助けてください!」とお願いして寝た。何かよいやり方伝授でもいいし、ミラクルでもいいし、何か私自身が気づけることでもいいし、とにかくどうにかして!と。
翌朝、私はそらと散歩に出た。
なんて平和で穏やかな散歩!
そらは出会う犬、出会う犬と上手にごあいさつ。しばし仲良く匂いを嗅ぎ合い。
飼い主さんにもニコニコ寄っていってごあいさつ。ナデナデされたり褒められたり。
私も飼い主さんとしばし会話。
そうそう、犬の散歩ってこういうもんよね~♪と素直に思う。
歩きながら
「そういえばハイヤーセルフとかに昨夜助けを求めたが、なんかメッセージは受け取れたのだろうか?」
と思いを馳せる。
眠っている間にしっかり脳も心も休息ができ、傷んだところも修復できたっぽい。
そらとこうして穏やかな散歩ができた。
「またやり直せばいい」という声が胸に広がる。
そうだ、「もうだめだ」と自分が感じたらSOSを出していいし、甘えていいし、またやり直せばいいんだよね。
またとわとやり直せばいい。
思ってしまったこと、考えてしまったこと、口にしてしまった言葉、
すべてもう取り消すことはできないけれど、
今からまたやり直せばいいんだよね。
うまくいかないことはわるいことじゃない。
ただうまくいかなかっただけ。
うまくいかなかったら、しんどかったら、助けを求めて、離れて、休んで、またやり直す。
人生その繰り返しなのかもなぁ。